2017年6月3日土曜日

ケトジェニック(糖質制限)は危険? その1

一部で言われているように、ケトジェニック(糖質制限)は本当に危険なのか。
今回はケトジェニックの危険性と誤解について語っていきたいと思います。


◇ケトジェニック(糖質制限)への誤解

■日本で広まっているケトジェニックは危険

日本で広まっているケトジェニックやその他の糖質制限の問題点。
それは、多くの情報が『アトキンス式』の糖質制限を元に考えられているという事です。

更に、日本に蔓延るカロリー神話(カロリーの取りすぎは太る、カロリーが同じなら何を食べても同じなどの誤解)がこれに拍車をかけているように思います。
※カロリーに対する誤解については後日まとめようと思います

なぜ、アトキンス式の糖質制限が危険なのかと言うと、情報が古いからです。
もちろん現在は、問題点を改善したより新しく安全な糖質制限の方法があります。

しかし、日本では糖質制限の情報の多くが『アトキンス式』を元に考えられているため、古い情報と新しい情報が入り混じり、初心者が何が正しいのか見極めるのは非常に難しくなっています。

私も、現在役立っている知識の殆どはアメリカのサイトから得たものです。

とにかく日本のサイトではメリットもデメリットも殆どが『アトキンス式』ありきの古い情報です。

では、実際にどんな間違った情報が出回っているのか、見ていこうと思います。

■ケトジェニックの誤解 方法編

後述する『危険編』の内容の殆どが、この間違ったやり方から来ているのでは無いかと思います。

・タンパク質はたっぷり取る

お肉はいくらでも食べて良い 、タンパク質はしっかり取る、と言った内容は、日本のサイトで多く見られます。
また、タンパク質の最低摂取量のみが記述されており、それを超過した場合どうなるかの説明が無いサイトも非常に多いです。

たしかに、タンパク質は不足すると筋肉が分解されてしまい、ダイエットの効率が下がります。
しかし、いくらとっても良いというわけではありません。

そもそも過剰なタンパク質は体内で糖に変換されます。 体内の糖を減らしたいのに糖を増やしては本末転倒ですよね。

また、日本人は高タンパク質の食事に慣れていません。
近年の研究では、『タンパク質の過剰摂取と腎臓肝臓の機能の悪化は無関係』という報告もありますが、日本でのケトジェニックダイエットの臨床例は限りなく少ないので、危険性は排除仕切れないのではないかと思います。
他にも、腸内環境や尿酸値の悪化など起こりうるかもしれません。

何にせよ、タンパク質は必要量『だけ』をしっかりと取り、残りは脂質で補うべきだと思います。

・脂質は少なめの方がいい

これは余り見かけませんが、信じてしまうと非常に厄介な無いようです。
一見すると『カロリーが抑えられてダイエット効果倍増』のように見えるのが罠です。

しかし、そもそもケトジェニックダイエットは、無理にカロリーを制限して痩せるものではありません。
体脂肪をケトン体に変換して痩せるものなのです。

そのためには上記した通り、低糖質、中タンパク質、残りは脂質で補うというバランスが大事です。
脂質を悪戯に制限してしまうと、その分タンパク質が過剰になったり栄養が足りず飢餓状態になったりする危険性があります。

脂質は悪いもの、という考えは捨てるべきです。

・運動も必要

『ダイエットするなら運動は必須。食べているだけでは痩せない』という誤解です。

たしかに、軽い有酸素運動(30分程度のウォーキング)や週2~3回の筋トレなら、筋力維持や体力増進の為に役立つかもしれません。
しかし、それはあくまで筋力や体力の維持のためです。

ケトジェニックダイエットでは、運動してカロリーを消費するという事は必須ではありません。
しかも、激しい運動を行うとタンパク質や脂質の必要量が増し、食事の量を増やさなければならなくなります。

運動をしてはいけない、というわけではありませんが、激しい運動をする場合は水分や栄養をきちんと摂取しましょう。

・完全に主食を抜くのはダメ

これもよく見かけますが、完全に罠です。
そもそも、主食を抜くのが嫌な人はケトジェニックダイエットには向きません。

体内に取り入れられ余った糖質は肝臓に蓄えられます。
そして13時間ほど、血中に栄養を送り続けます。
そしてその間、ケトン体の生成は落ち着いてしまうのです。

ですから、こういった情報を信じ、中途半端に糖質制限をしてしまい、実は何の恩栄を受けていない人も中にはいるはずです。

ケトジェニックダイエットでは炭水化物の摂取量を1日50g以下に抑える必要があり、少ないほうが効果的とされています。
私の場合は1日20g以下にしていますが、これはお米にすると、茶碗に1/3杯という僅かな量です。
実際には調味料や野菜にも糖質が含まれていますので、食べられる主食の量は更に少なくなります。

主食を食べるにしろ、食べて良い量はその程度なのです。
ならいっそ、完全に抜いたほうがよっぽど楽(その分、他のものが食べられる) だと思いませんか?

1日に必要な栄養素をキチンと計算すれば、主食を食べる必要は無いと私は考えています。


■糖質制限の誤解 危険編

続いて、糖質制限のここが危険、こんなことになる、とう誤解です。
これらの殆どは、上記した『方法編』の内容などから来る誤った実施方法や、必要な栄養をきちんと取れていなかった事による弊害だと思われます。
もちろん、ケトジェニックに未知の危険性が潜んでいる可能性も完全には否定できないのですが……。

・栄養失調から来る各種の体調不良

脳の機能低下、精神が不安定になる、ふらつく、体力が落ちるなど。
これは、タンパク質や脂質が不足している性だと考えられます。

特に日本人はタンパク質や脂質が不足しがちです。
そこから炭水化物を抜いてしまうことにより、目分量で食事を取っていると栄養不足に陥ってしまう恐れがあります。

精神状態(うつ、無気力など)の症状は、ケトジェニックを始めたばかりの頃に実際に見られる症状です。
通常は、そのままダイエットを続けていても1週間以内に回復するらしいです。
また、水分や塩分をしっかり摂ることで、この症状を回避しやすくなるようです。

脳の機能が低下するという人がいますが、脳が栄養とするブドウ糖はケトン体で代用できるので、しっかりケトジェニックを実践できていれば問題ないはずです。
ダイエットの方法が間違っている場合、ケトン体が足りずに脳の機能が低下するかもしれません。


これを回避する方法は、食材をきっちりと計量することです。
メインの肉や魚はもちろん、付け合せの野菜や調味料、飲み物に至るまで、きちんと炭水化物、タンパク質、脂質の量を計算しましょう。
最初は面倒と思うかもしれませんが、慣れてくれば意外と簡単です。

・腎臓機能の低下

 すでに腎臓疾患がある人の場合、タンパク質を過剰摂取すると腎臓機能が低下する恐れがあるのは本当です。
逆に、疾患がない人は心配する必要はありません。
さらに、過剰なタンパク質を食べる必要もありません。
つまり、心配ありません。


このように、一般的に言われている糖質制限のリスクの殆どは、それほど心配する必要は無いように思えます。

大事なのは……。

・我流でやらない(しっかり勉強する)

・栄養の割合(低糖質、中タンパク質、高脂質)を守る

・必要な量の栄養素はちゃんと摂る(勝手に減らさない)

・水分や塩分、ビタミン、ミネラルなどの不足に気をつける

と言った事だと思います。



しかし一部の情報は、『全く問題ない』とは言い切れないのも事実です。
次回は、実際に起こりうる危険性や、ケトジェニックを実施しない方が良い人について書こうと思います。


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